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子守地蔵 |
私を呼ぶ声ですぐに目が覚めても、
寝ているふりをして父に背負われていった気分、
何の心配もなく心がすっと安心できる気分、
それこそがまさしく平和でした。
そのように父の背中に負われて平和を学びまし
た。
親の愛とは、絶対不変であるので子供は親を信頼できるのです。
この言葉は誰に言われたわけでもなく、物心付いた以前以後、私にとっては当たり前のことでした。我が家は特別、恵まれた幸せな家庭と言う形態をしていたわけではありませんでしたけれど。
大きくなるにつれ、多くの人がそうではないと知ったときはなぜそのようになるかと驚くと同時に、人として生まれ、親子の信頼関係をもてない人の不幸をとても気の毒に思いました。
生きとし生けるもの、絶対不変な親の愛を呼吸したいと思う心は不滅であると思います。
”そうか あなたは もういないのか”
この言葉は何方か、愛する妻が他界された方の言葉です。
私の人生にこの上ない素晴らしい、生き方を示してくださった方。
”親”
長い間遠く離れて暮らし、時たまお会いできた方。
何故か、永遠に共に暮らす人と思っていました。
其の方が他界されたとき、いつも一緒にいたわけではないので、
実感するのがとても難しいけれど、其の面影を思うとき、
”そうかあなたはもういないのか”
其の言葉が、懐かしも寂しく心を打ちます。
それであるけれど、其の生き方は永遠に私から離れることはありません。