一箇所だけ、一方向だけ見ていても大事はなせません。
上も見て、下も見て、東西南北を全て見なければなりません。
人の生涯はどれも同じ70年、80年ではないのです。
一度しかない無い人生であり、その間に成功できるか否かは自分の目で物事を正しく見られるかどうかにかかっています。
それには豊富な経験が物を言います。
また厳しい環境にあっては、余裕の或る人間味と柔軟な自主性が必ず必要です。
私は今でも、人間が人格完成しようと思えば、30歳になるまでは苦労してみなければならないと考えます。
30歳になるまでに、人生のどん底を這いずり回るような絶望の坩堝に一度ぐらいはまってみるべきでしょう。
絶望の奈落のそこで新しいものを探し出せというのです。
そうすれば、「ははあ」と驚きの声を上げながら、「今の絶望がなければ、このような決心はできなかったはずだ」と心を新たにするようになります。
絶望の淵から驚きの声をあげて抜け出してこそ、新しい歴史を創造する人に生まれ変わることが出来るのです。
”平和を愛する世界人として" より
助け合うこともまた、天が結んでくれる因縁です。
その時はよくわからなくても、あとで振り返ってみて、「ああ、それで私をその場に送られたのか」 と悟るようになりました。
ですから、突然私の前に助けを乞う人が現れたら、「天がこの人を助けるようにと私に送られたのだ」 と考えて、心を込めて仕えます。
天が 「十を助けなさい」 と言うのに、五しか助けないのでは駄目です。
「十を与えよ」 と言われたら、百を与えるのが正しいのです。
人を助けるときは惜しみなく、財布をはたいてでも助けると言う姿勢が大切です。
”平和を愛する世界人として" より