Sunday, November 4, 2012

草むらの虫と交わす宇宙の話 1

森の中の石橋と滝
森の中にいれば心が澄んできます。
木の葉がしきりにカサカサする音、風が葦を揺らす音、水場で鳴くカエルの鳴き声といった自然の音だけが聞こえ、何の雑念も生じません。

そこで、心をがらんとあけ、自然を全身で受け入れれば、自然と私は別々のものではなくなります。
自然が私の中に入ってきて、私と完全に一つになるのです。
自然と私の境界がなくなる瞬間、奥妙な喜びに包まれます。
自然が私になり、私が自然になるのです。 

私はそのような経験を生涯大事にしまって生きてきました。
今も目を閉じれば、いつでも自然と一つになる状態が訪れます。
ある人は無我の状態だともいいますが、私を完全に解放したところに自然が入って来てとどまるのですから、事実は無我を超えた状態です。
その状態で、自然が話しかける音を聞くのです。
松の木が出す音、草むらの虫が発する音。
そうやって私達は友達になります。

"平和を愛する世界人として”より

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